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リサーチ・アイ No.2019-061

日銀短観(3月調査)予測― 新型コロナの影響で景況感は大幅悪化 ―

2020年03月17日 北辻宗幹


4月1日公表予定の日銀短観(3月調査)では、新型コロナの世界的な感染拡大に伴う経済活動の下振れにより、製造業、非製造業ともに景況感が大幅に悪化する見込み。

大企業・製造業の業況判断DIは、前回調査対比▲14%ポイントの悪化を予想。大幅な株安や円高の進行が景況感の下押しに作用。業種別では、世界的な販売不振が続く自動車や、商品市況が悪化している素材産業をはじめ、ほとんどの業種で悪化する見通し。一方、大企業・非製造業の業況判断DIは、同▲23%ポイントの悪化を予想。訪日外客数の大幅な落ち込みに加え、国内でも外出を自粛する動きが広まっていることから、宿泊・飲食サービスや運輸・郵便などで急速に悪化するほか、幅広い業種で景況感が落ち込む見通し。その結果、大企業・全産業のDIは▲9と、対象企業見直しの系列を含め、2010年1月調査以来の低水準に。

中小企業の業況判断DIは、全産業で前回調査対比▲16%ポイントの大幅悪化を予想。国内消費の下振れにより、多くの企業で売上が減少するなか、景況感は大きく悪化する見通し。

先行き(6月調査)は、全規模・全産業で3月調査対比▲4%ポイントの悪化を予想。新型コロナの影響や終息について不透明感が残るなか、製造業、非製造業ともに景況感の悪化が続く見込み。

2019年度の設備投資額(土地投資を含み、ソフトウェア投資を除く)は、全規模・全産業ベースで前年度比+0.9%と、前回調査対比▲2.3%ポイントの下方修正を予想。新型コロナの影響で、企業業績の下振れが予想されるなか、企業の投資マインドは慎重化する見通し。

2020年度の設備投資計画では、全規模・全産業ベースで前年度比▲4.9%と、例年に比べ慎重な期初計画になると予想。老朽化した既存設備の維持・更新投資のほか、人手不足を背景とした合理化・省力化投資需要は引き続き見込まれるものの、先行きの業績を見通しにくいなか、投資を先送りする動きが出てくると予想。新型コロナの終息が見通せない場合は、その後も例年に比べ、慎重な足取りとなる見込み。

日銀短観(3月調査)予測― 新型コロナの影響で景況感は大幅悪化 ―(PDF:258KB)
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